事業を継続し、業績を伸ばしていくために人は欠かせません。事業がある限り企業はより良い人材を採用しなければなりません。
とはいえ、今の日本は人口減少の一途を辿り、採用が難しくなっていると言われています。
特に中小企業では採用難が顕著です。
以下の中小企業庁の報告を見ても、中小企業の経営上の問題として「求人難」の割合が年々高まり、「売上・受注の停滞、減少」を抑えて「求人難」が経営上の問題で最も大きい割合を占めています
深刻化する人手不足と 中小企業の生産性革命 – 中小企業庁
黒字倒産が増えているとも言われ、それほど人材難に陥っている中小企業は多いです。
当然、人材確保のために採用活動に力を入れていると思いますが、なかなか成果が出ずに苦労している企業や採用担当者の方も多いはず。
私は2017年新卒~2020年新卒の4年間、新卒採用責任者として採用活動をしていました。
手前味噌になってしまいますが、新潟本社の社員100人に満たない小さい印刷会社で挙げた採用実績としては以下の通り。
- 合同説明会は毎回立ち見が出るほど
- 個別説明会は50人定員が満席
- 毎年選考応募者50人以上
- 4年間通算で内定辞退率10%と低水準
マイナビの営業担当者の方からは、超売り手市場の中、中小企業の、しかも斜陽産業の印刷業でここまでの実績は新潟ではなかなかないという話を聞き、採用活動としては成功していたほうだと思っています。
そんな私が「採用活動がうまくいかない中小企業が気を付けたい7つのポイント」を紹介します。
私が新卒採用責任者になった時も様々な課題がありましたし、他社の採用活動を見たり、学生の声を聞いたりする中で気を付けなければいけない事が多く見えてきました。
これらに気を付けてしっかり対策することで採用活動の成果も上がってくると思います。
採用難に苦しんでいる中小企業、採用担当者の方の参考になれば嬉しいです。
目次
採用活動がうまくいかない中小企業が気を付けたい7つのポイント
1.採用担当者が年配の人、偉い人だけ
経営=採用とも言われるくらい採用は重要なので、採用担当者が部門長のような偉い人で構成される傾向があります。そして、部門長という事は年配の方であることがほとんど。
新卒のみならず、中途採用でも30代以下を採用するケースの方が多いと思います。立場と年代が違うと求職者との価値観が合わず、求職者の方から離れて行ってしまう事になりかねません。
例えば、新卒採用の合同説明会に行くと、ブースに人事部の部長なのか一人だけでポツンと座っている。これでは学生は寄り付かないです。最初から最後までその企業のブースには学生がほとんど座らなかったここともありました。
10年前の2010年に就活していた時も、4年間採用活動していた時もまだ見られた光景です。
また、選考の時にも求職者が委縮し、本音が引き出せずに誤った判断をしてしまう可能性が高くなります。
解決策としては、出来るだけ若手社員を含める事です。
表立って採用活動するのはできるだけ若いほうが良いと思います。30代前半以下が好ましいのではないでしょうか。
もちろん、選考が進むにつれて部門長や事業責任者も参加すべきですが、立場が上の人が選考するときも採用担当者の若い人が同席するだけで求職者が話しやすくなると思います。
2.チラシ、パンフレット、採用サイトの内容が毎年同じ
毎年同じチラシやパンフレットを増刷して使いまわしていませんか?
会社案内のようなある程度変わらないものはいいですが、採用広報ツールとして作成する採用専用のチラシやパンフレットはその年に応じて中身を変更すべきです。
毎年同じ人材を採用したいわけではないはず。前回採用できた人物像を今回も採用はしないはずですから。
私が新卒採用活動していた時も、昨年は営業を採用、今年はデザイナーを採用と、その年毎の採用テーマに合せてチラシやパンフレットを作っていました。
求める職種や人物像に訴求した内容に合っている採用広報ツールでないと、せっかくお金をかけて作っているのに期待する効果が出ません。
毎年チラシ、パンフレットの見直しは必要です。
3.採用したい人物像が不明確
採用活動を始める際にフワッとした人物像設定で始めてしまうと期待する結果が出づらいです。
そもそも、求める人物像が明確でないとどのような人を採用していいのかわからないため、どんな人が採用出来たら採用成功といえるのかという定義づけもできません。
もしかしたら、上でチラシ、パンフレットは毎年内容を見直して作成すると書きましたが、毎年人物像を明確にしていないから同じ内容の使いまわしになってしまうのかも。
人物像がなければ求人支援サイト、求人の文言も決まらないはずです。
人物像設定は、経営者を交えた採用会議を行ったり、職種が決まっているなら配属先の部門長にどんな人が欲しいかヒアリングしたりすると良いでしょう。
4.採用選任のチームがない
採用担当者はいるけど、採用チームがない企業は多いのではないでしょうか。
中小企業だと人事に関することを行う人事部はなく、総務部や庶務といった部署で、通常業務と並行して採用活動しているケースが多いと思います。
これだと採用活動が片手間になりがちで、時間をかけづらくなってしまいます。
とはいえ、人事部のような採用専用の部署を設けられるほど人員とコストに余裕はないと思うので、兼務ではありますが採用チームを作るべきです。
上でも書いた通り、出来るだけ30代前半以下の社員で構成されているのが好ましいと思います。
経営者直轄のチームとして、社内に周知されているといいですね。
5.採用にかける時間が少ない
上でも書いた通り、中小企業はどうしても人手が少ない。だから、採用活動は兼務になってしまうのはしょうがないです。
しかし、それなりの時間をかけられないとより良い採用活動は難しいでしょう。
採用サイトの原稿作成、チラシ・パンフレットの手配、求職者への連絡、選考スケジュール作りと社内への連絡、履歴書の管理、合否連絡、説明会会場手配と設営、などなどやることはとても多いです。
通常の業務に加えて採用活動を行うためには時間が必要です。
その時間を確保するためには、次のポイントの問題を解決する必要があります。
6.採用活動に対する社内の理解を得られていない
採用活動を兼務している人にとって一番頭を悩ませるのは、社内理解を得られていない事です。
兼務という事は必ず採用活動をしている時間は、通常業務を同僚にやってもらっているという事。
特に上司や先輩には申し訳ない気持ちが湧いてくるのではないでしょうか。
その結果採用活動は通常業務が終わってから残業でこなすことに。
これでは採用担当者のモチベーションは上がらず、いい結果が出ません。
また、選考は休日に行うケースも多いので、面接官になるような部門長への根回しも必要です。
通常業務が優先で採用活動はその次、という序列が出来がちですが、本来会社の仕事の一つですからどっちが上、下という事はなく、どちらも大事。
社内理解が得られていないのは採用活動が社内の仕事として、どういった位置づけなのか周知されていないからです。
社内理解を得るためには次のポイントをクリアすることが必要になります。
7.経営者を巻き込めていない
たびたび同じことを言いますが、「経営=採用」とまで言われるくらいですから、経営者の協力は採用活動に欠かせません。
経営者からの協力があれば、社内理解を得るのも難しくないです。
採用チームを経営者直轄のチームにしたいと言ったのもこれが理由です。
組織図に明確に採用チームを載せてもらったり、全社への挨拶時に採用チームの採用活動に協力するように一言話してもらうだけでも社内理解を得られます。
また、経営者に人物像設定や、選考手法などの相談がしやすいかどうかも重要です。
最終的に採用するかしないかの判断は経営者が行いますから、採用活動に協力的してもらえるようにしなければなりません。
実際活動するのは採用担当者ですが、こまめに経営者に進捗報告したり、会議に参加してもらうなどコミュニケーションを定期的にとっていきましょう。
まとめ
採用成功のために!と題して「採用活動がうまくいかない中小企業が気を付けたい7つのポイント」を紹介してきました。
4年間新卒採用活動をしてきた私の経験をベースにしています。今回紹介したことは、新卒採用以外の中途採用でも、アルバイト採用でも通用する話だと思います。
私もすべて完璧にこなせたわけではなかったし、課題は数多く残ったままで後任に引き継ぎました。
でも最低限これら7つのポイントを抑えて、それぞれのポイントのクオリティを上げていけば採用は成功するはずです。
もし採用の事でお困りでしたら、こちらからご相談いただければお手伝いできると思います。
特に、母体が印刷会社なのでチラシやパンフレットは得意ですので、データから一緒に作ることも可能です。
もしお困りでしたら、お気軽にご相談ください。
今回の記事が採用成功の手助けになれば幸いです。
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