言ってみたい。し、言われてみたい
目次
ロックバンド・スピッツ
今や国民的バンドとして、誰しもにその名を知られるスピッツですが、皆さんはスピッツに対してどのようなイメージをお持ちでしょうか。
爽やかで心地よい曲を歌うポップロックバンドという感じ……ですかね? そもそもスピッツがロックバンドであるという認識のない方もいるのではないかと思います。
しかし、いちファンの立場から恐れ多くも言わせてもらうならば、スピッツはゴリゴリのロックバンドなのです。
そもそもスピッツは元々パンクバンドとして活動していました。それから少しずつスタイルは変化して今現在のスピッツになりましたが、随所に初期の尖り具合が顔を出す時があるんですよね。
で、そのギャップがまたいいんですよ。うんうん。なので今回はそんなスピッツの男らしさに焦点を当てたいと思い立ちました。
その中でも特に「愛」を男らしく叫んでいる曲をピックアップして紹介をしていきますね。
単なる「愛してる」じゃない。湧き上がる熱い想いをのせたイカしたフレーズたちです。ぜひじっくりと味わい、ハートを撃ち抜かれてみてください。
「愛してる」をそのまま伝えてはいけない理由はこちらの記事にまとめています!
男らしく愛を歌うスピッツ曲
バカな君が好きさ『夢追い虫』
まずはスピッツ24枚目のシングルである「夢追い虫」。ヘヴィなギターの音が立つミドルテンポなロックナンバーです。
この曲で紹介したいフレーズはこちら。
美人じゃない 魔法もない
バカな君が好きさ
途中から変わっても
すべて許してやろう
ちょっぴり口が悪い気もしますが、つまりは「特別なものなんかなくても、ありのままの君が好きなんだぜ」ってことですよね。
魔法っていうのはまた解釈の余地があるワードですが、「才能」とかで考えても良いし、「化粧気」とかでも面白いかもしれません。女性のお化粧は男から見りゃ魔法ですからね。
そんな飾らない君が好きで、でももし今の君がだんだん変わってしまったとしても、それも全部ひっくるめて受け入れてやる! という感じですね。
「バカな君」とか「許してやろう」とか、若干上から感もある男ですが、この先の人生で君以上の人なんていない! と思えるくらいにゾッコンですねこれは。
ぶっきらぼうですがその実ベタ惚れ。少し不器用な男が語る愛の言葉でした。
赤い火になる『ほのほ』
続いてはアルバム「スーベニア」より「ほのほ」です。読み方は「ほのお」で、漢字に直すと「炎」ですね。うん、なんとなくですが「炎」より「ほのほ」のほうがスピッツっぽいですねやっぱり。
この曲はね~。本当にイントロがいいのよ。スピッツ曲の中でも特にカッコいいと思う。冷たいのに熱い感じでドラマティックなのよ。
主人公の男もまさにそんな感じで、クールだけど秘めたる熱さがあるような人物です。
みぞれに打たれて 命とがらせて
煤けた街で探し続けた
今君だけのために 赤い火になる
君を暖めたい
歌われるのは「君のためならなんでもやる」という想い。寒さで凍えているのなら、たとえその身が燃え上がってもいいんだという献身。
う~んなんて一途なの! 一度でいいから、これくらいの熱さで想われたいわよね。
なんだって俺にくれ!『さらばユニヴァース』
続きましてはアルバム「ハヤブサ」より「さらばユニヴァース」という一曲。
「ハヤブサ」というアルバム自体がスピッツの中では結構尖っているアルバム。その中でこの曲は比較的スローなテンポなのですが、エレキギターの音色がしっかりと響く曲です。折に触れて聞こえるアコギの音色が情緒的。
熱いなあと思うフレーズは曲の冒頭にあるこちら。
半端な言葉でも 暗いまなざしでも
何だって俺にくれ!
綺麗なところだけじゃなくて、ダメだったり汚かったりするものでも、君からのものはなんだっていいから全部俺にくれ! という意の言葉です。
それは謎の指輪
さらばシャレたユニヴァース
サビの部分ではタイトルにもある「ユニヴァース」と韻を踏むような形で「指輪」という言葉が顔を出します。ここから連想されるのは……そう、プロポーズですよね。
というワケでこの曲はスピッツなりのプロポーズソングなのではと解釈することができるんですな。俺もこのフレーズ貰っちゃおうかな!
ただじゃ済まさぬ『いろは』
続いてもアルバム「ハヤブサ」より「いろは」です。こちらはより「ハヤブサ」というアルバムらしく、尖った攻撃的な曲になっております。
現れてくるのは少し危険な男の顔。一見優男風だけど、裏の顔があって……みたいな感じよ。
俺の秘密を知ったからには
ただじゃ済まさぬ メロメロに
まだ愛はありそうか?
今日が最初のいろは
今まで見てきた俺の姿は偽物だ。本当の顔を見られてしまったからにはただじゃ済ませない。それでもまだ俺への愛があるなら、これから一つずつ俺のことを教えてやろう……。
みたいな感じっすかね! 自分で書いてて恥ずかしくなってきたっすね! ね!
というワケでタイトルの「いろは」は、「物事のいろは」みたいな意を含んでいます。少し危ない裏の顔を知ってしまったなら、もうその魅力から逃れることはできないのだ……!
この街で俺以外『大宮サンセット』
「大宮サンセット」は上でも紹介した「夢追い虫」のカップリングとして発表された曲です。アルバムとしては「色色衣」に収録されています。
全編を通してアコギによる演奏。草野さんの弾き語りのような雰囲気もあって落ち着いた曲で、これまた歌詞が良いんですよね。
この街で俺以外 君のかわいさを知らない
今のところ俺以外 君のかわいさを知らないはず
要はこれは「この街で君のことが一番好きなのは俺だ」という自負ですよね。それを「俺以外君のかわいさを知らない」と表現するのがまた面白いなと思うわけです。
ですがこの曲には一抹の切なさもあって。それは2回目の「君のかわいさを知らない」につけられた「はず」にも内包されています。
君を抱きしめたいよ
今夜俺は寝ないよ
悲しいくらいに一途な男の想い。それにじんわりと浸りながら聞いてほしい曲です。
愛しくて忘れちまった『えにし』
最後に紹介したいのはアルバム「とげまる」収録の「えにし」です。ランチパックのタイアップにもなった一曲ですね。
「えにし」とは漢字で書けば「縁」。つまりこれは男女の関係だけではなく、全ての繋がりやめぐり合わせを歌った曲なわけですが、個人的に凄い好きなので紹介したい。
サビの歌詞が凄く好きなんですよ。
伝えたい言葉があふれそうなほどあった
だけど愛しくて忘れちまった
はずかしい夢見て 勢いで嘘もついた
そして今君に出会えて良かった
君への想いは本当に色々あって、それを自分が知りうるあらゆる言葉で表して伝えたいと思っていたけど、いざ顔を合わせたらただただ愛しくて、用意してきた言葉も全部吹っ飛んじまった。そんな意の詞。
細かいこととか事前準備とかをぶっ飛ばすくらいに溢れる君への想いが伝わってきて、すごくいいなあと思うわけです。
あと「忘れちまった」っていう表現がいいですよね。スピッツ曲に時折出てくるこういう男言葉が大好きです。ヘビーメロウの「花は咲いたぜ」とか、雪風の「懐かしいだろ?」とかワタリの「誰のせいでもねえ」とか。なんか凄く刺さるんだよなあ。
まとめ 一度は言われてみたいわよね!
以上、スピッツ曲の中から「男らしく愛を歌っている曲」という趣旨で6曲紹介をしました。
なんとなくスピッツ曲の一人称二人称って、「僕」と「君」なイメージありません? でも「俺」曲も沢山ありますし、相手を「おまえ」と呼ぶ曲もあります。そもそも草野さんの一人称だってちゃんと「俺」ですしね。
情緒的なメロディーに乗せて歌われる詩的なフレーズ……というイメージを抱いている時に突然こういう男らしさがやってくると、なんか凄くグッときちゃいます。
常に男らしくても濃すぎて飽きちゃう。パッと見草食系なスピッツだからこそたまに出る男らしさがいいんですわ。
うん、メリハリとギャップだよね。この辺りは男としてとても参考になるのではないでしょうか? 今回紹介したフレーズ達も、ここぞという時に使ってみると思いもよらぬ効果を生むかも……?
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