
ザ・ノンフィクション
陰キャは美容院が苦手
陰キャという生命体は、いつも社会や周囲に向かって毒を吐きまくっているトンガリボーイですが、その実非常に打たれ弱いメンタル弱者です。繊細なのよ。ガラス細工のように。
なので陰キャは弱点が多い。オシャレ、洗練、スタイリッシュ……こんなワードが似合う場所に身を置くとアワアワしてそのうち倒れます。その最たるものが美容院ですね。
美容室ってさー、めっちゃオシャレじゃない? まあオシャレするところなんだから当たり前なんだけどさ、内装から美容師さんから客に至るまで全てがオシャレ。身の置き所がなくて困るよ。
以前にも「陰キャが美容院に行ったらこんなことになります」みたいな記事を書きました。
そちらの記事はどちらかと言うと平均的陰キャが体感し得るであろうことを紹介する内容になっていますが、今回は僕が実際に体験したことを実録風に語っていこうと思います。
まあ前回の内容ももちろん全て体験済みのことで、だからこそ書けることなんですが、今回はよりリアルな実体験を選出して紹介することにしました。
涙なしでは見られない陰キャ×美容室の化学反応。ハンドカチーフの準備はいいかい?
実録:陰キャが美容院に行ったらこうなった
イケイケヘアが似合わない
美容師さんって、髪の毛を切り終わったあとに大抵「何かつけますか?」と聞いてきますよね。
整髪料の類をつけたことも買ったこともない陰キャは(ただしべっとりネトネトになるまでつけられて笑いものにされた経験有。なんなら学ランまでそれで汚される)、基本的にその申し出を断っています。
しかしこの日の陰キャは一つ心に決めていました。最後にセットをしてもらおうと。
別にその後デートがあったわけでも買い物に行く用事があったわけでもありません。ただただ家に帰るだけ。
だからこそ、今日はセットしてもらっちゃおうかな~なんて思ったわけです。もし仮に失敗しても、帰って速攻洗い流せばいい話ですし。
普通に髪を切ってもらってドライヤーもしてもらって、さあ最後仕上げ。緊張の一瞬……!

どうします? なにかつけますか?

アッ、ハイッ! オ、オネオネシャス!

陰キャフェイス×イケイケヘア。中々のパンチ力でした。家族に大笑いされました。僕は速攻風呂に入って頭を洗い流し、整髪料はもう今後一切しようしないと心に決めました。
イケイケヘアから逃れられない
さて、そんな悲しき事件を経た陰キャ。この先の人生、誰に何と言われようと絶対に髪はセットしねえと、鋼の意思で固く心に誓います。
とはいえ折角やってもらった髪の毛を速攻で洗い流し無に帰した罪悪感というものもあり、陰キャはそっとお店を変えました。人並みに良心はある陰キャです。
いつも通り「今日はどうします?」という問いかけに「あ、マア……そっすね。適当に、短く……」というオーダーを出して髪を切ってもらいます。
流石はプロ。僕の最高に要領を得ないオーダーに対してもしっかり応え、期待通り無難にまとめてくれます。
さあそして最後の仕上げ……ここが今日の山場……! 何を言われても「アッ、いいです」で通すんだ……!

なんかつける?
来た! いくぞ! ウオオオオ結構ですぅぅぅ!!


もうワックスこねとるやんけ!!!!
「どうする?」とか言いながら準備万端でしたわ。もうこんなん断れんやん。「いや、いいっす……」とか言えへんやん……。
次は店を変えよう……。そう心に誓った20の夏。
名前呼びにビビッて店を変える
そんなこんなで美容室に行く度行く度ちょっとしたトラウマを増やし続けている僕。なのでコロコロ行くところを変えていました。1回だけしか行かなかったところも沢山あります。
そんな美容室プレイボーイな僕が巡り合ったとあるお店。
1回目はそれなりに無難に仕上げてもらったし、何より洒落こいてはいたけど理容室だったというのがデカい。赤青白のグルグルはないけど、言うて床屋だし。バーバーだし。というかバーバーって何よ?
というワケで初回来訪から3ヶ月後、再び同じ理容室に僕はやってきておりました。
荷物を預けたら席に通され、どっかりと腰をかけます。お、今日のスタイリストがやってきました。さあ、また今日も無難に仕上げてくれ……。

じゃあ、貞治君。今日はどうする?

!?? !!!?????? !?!???
さ……さ、ささ貞治君んん!?? 今貞治君って言った!?? 言ったね!!??
接点はたった一回の散髪。2人が共有した時間は1時間弱。たったそれだけなのに、名前で呼んできただと!? 距離の詰め方がヤバイ! どんなコミュニケーション能力してやがる!
このペースで行けば3回目の来訪時には「さださだ」なんてあだ名で呼んでくるかも……! その次はあだ名が行き過ぎて「ケツ尻」なんて半蔑称になり、いずれ「臀部」と呼ばれるようになってしまうかも……!
長年の陰キャ生活で鍛えた第六感がけたたましいアラートを響かせていました。僕は、店を変えました……。
まとめ それでも僕は美容院に行く
散髪を先送りにして先送りにして。気が付けば前回の散髪は5か月前とかで。頭はもう看過できないくらいにモッサモサになっていて。
そうなって初めて僕は重い腰を上げて散髪に行きます。なんで髪の毛って伸びちゃうんだろうね。
僕みたいな反応も悪くて単価の低い客に対しても誠心誠意対応をしてくれる美容師の皆さんにはもう頭が上がりません。でもオサレ空間が苦手なんだから仕方がない。
それでもいつか……! いつかは俺もこの空間に慣れて……俺も……。

おッ、こんちゃーすマサさんwww 今日もシクヨロっすwwwww
みたいな感じで、堂々と散髪に行けたら……いいなあ……。
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