採用に携わった人なら必ずやったことのある面接官。
初めて面接官する人は面接をどうしたらいいのかわからないと思います。
事実確認であれば履歴書で事足ります。じゃあ面接は求職者の何を見極めるために行うのでしょうか?
私は面接では「どんな人なのか?」を見極めるための時間にしています。
スキルや経歴は履歴書で把握できますが、どういう人なのか?はお会いしないとわからないです。
面接にも様々な目的や方法があると思いますが、スキルや経歴よりも人物重視で採用してきました。
そんな人物重視の面接でカギとなるのは「雑談」です。
というか、面接では9割雑談しかしてないです。なので、よく求職者からは「今まで受けた面接とは全く違った」という声を聞きます。新卒での就活の学生からは「楽しかった」という声もありました。
面接は面接する側が求職者を見極めるためのものと思いがちですが、求職者が企業を選定するためのものでもあることを忘れてはいけません。
選んでもらい入社したいと思ってもらえるような面接にすることも重要です。
9割雑談という面接方法で、新卒採用では私が新卒採用責任者をしていた2017年新卒~2020年新卒の4年間の内定辞退率は10%と名もない中小企業としては低水準を達成していました。
この4年間は超売り手市場だったにもかかわらず。
ということで、今回は「人物重視の面接方法は雑談を重視すべし!」と題して雑談9割の面接について紹介します。
面接をどう進めていいかわからない、内定辞退率が高くて困っている、と言った採用担当者の方は必見です。
目次
面接における雑談とは?

雑談と言ってもなおさら何話していいかわからないという人もいるかもしれないです。
そもそも雑談ってなんだよ?と思った人もいるでしょう。
雑談の定義は、調べる限りこんな感じ。
ざつ‐だん【雑談】
〘名〙 さまざまの話をすること。また、その話。とりとめのない話。世間話。よもやま話。ぞうだん。〔必携熟字集(1879)〕
雑談とは – コトバンク
特にテーマを決めずに出てくる何気ない会話とも言えます。
友達や休憩時の同僚との会話で「これから○○の話するぞ!」と準備して会話し始める人はいないでしょう笑。
要は普通に会話することです。
それでも面接の雑談が難しいという事であれば次の注意点を押さえておけばいいと思います。
1.履歴書に書いていないことについて話す
履歴書に書いてあることについて質問してもお互い時間がもったいない。
求職者も書いてあること質問されると、「書いてあることをちゃんと言えるか試されている感」がしてしまうので印象良くないです。
履歴書は読みつつ、履歴書に書いていないことにフォーカスを当てて質問したほうが良いです。
もちろん、履歴書の情報から質問を考えることはOK。
書かれていない事というのは、例えば、仕事や学業での成功体験ばかり履歴書に書いてあったら、挫折や失敗事例も聞いてみる、といった感じです。
面接でいきなり本心を開示する人は少ない。
書かれているという事は用意されている事なので、書かれていない予測できない質問をすることで本心を引き出していくことはできると思います。
2.質問に対して1つの答えが返ってきて終わるような質問はしない
面接は求職者にとってみれば面接官から評価されるものと思われています。
一方的な質問は試されている感じがして、自分が求職者の立場で置き換えて想像してもあまりいい気がしないですよね。
答えてもらったら次の質問、答えてもらったら次の質問、のようなあらかじめ用意されていて求職者全員に聞く形式的な質問はあったとしても一つくらいでしたね。
面接では点数をつけるような「評価」ではなく、会話からどんな人か「判断」する材料を拾っているので、求職者が誤解を招くような質問は避けたほうが良いと思います。
求職者も面接を通して入社する会社を選定しに来ているという事を忘れずに。
3.相手が自発的に話したくなるような会話と傾聴姿勢を心がける
求職者が話しやすい、話したくなるような会話を心がけたほうが良いと思います。
私の場合はまずは答えのある質問からして緊張をほぐします。
「今日の交通手段」「何時に家を出たか」などは、答えのある質問です。求職者も発言することによって会話のリズムが掴めてきて話しやすくなります。
その後は話したくなるような質問が良いです。趣味の話、好きな事、何でもいいと思います。
面接官は熱心に求職者の話を聞くことです。面接官の聞き方によっても話しやすさは変わります。
積極的傾聴姿勢と言って、聞き手が相づちをうったり、話の内容を言い換えたりすると、話し手は聞いてもらえてる、理解してもらえているという印象を持ちます。
テクニックとして、面接官が複数いる場合は「今の話知ってた?」「○○さんも好きだよね?」と巻き込むようにすると、雑談感が増してその場にいる人全員が会話に参加していると感じ、より受け入れられている、聞いてもらえていると求職者は感じます。
お試しあれ。
面接での雑談のメリット

具体的に面接時の雑談によってもたらされるメリットについてまとめました。
求職者が話しやすくなり素を引き出しやすくなる
求職者は面接時には、初めて会う面接官、入社したいけど受かるか不安という気持ち、いろんな感情があって緊張しているに違いありません。
人物重視での採用であれば緊張している時の求職者よりも、普段の素のその人自身を見たいと思うはず。
初対面の人にすべてさらけ出すような人はいませんが、雑談で話しやすくしてあげることはできます。
相手が話しやすそうな話題を振ってあげて、掘り下げていけば少しずつ緊張がほぐれていき、素を見せてくれるかもしれません。
考えさせるような質問をするのではなく、すぐに答えられる質問から始めるべきです。
普段に近い会話ができクセが表れやすくなる
求職者が予想できるような質問は用意してきたものを出すだけなので、その人の人柄はよくわかりません。
話の内容が予想できない雑談は、その時の流れで会話するので人柄がよくわかります。
話し方や言葉遣い、話している時の挙動やクセなど、いろんなことが見て取れます。
話している内容ももちろん重要ですが、こういったところは実際に会って話してみないとわからないですし、形式的な質問でも引き出せないところです。
クセや言葉遣いは簡単に直せることじゃないので、この辺の見極めはしておいたほうが良いと思います。
面接官(社員)や社風を求職者に知ってもらえる
誰と働くか、どんな会社なのかを知ってもらうために面接はとても重要な場だと思います。
求職者も会社を選びに来ているので、採用したい人材に選ばれるような面接をしなければなりません。
そういった意味で、雑談は大きな力を発揮してくれます。
以下のリンクでは、求職者が印象に残った面接事例が書いてあります。
「こんな面接なら入社したい!」求職者に聞いた理想のホワイト面接|人事、採用、労務の情報ならエン人事のミカタ
その中で、「面接以外の話題を振ってくれて、面接官が話しやすい雰囲気を作ってくれた」という事例があるように、雑談によって面接官である社員の魅力や、求職者に配慮できる社風なんだなという事を感じ取ってもらうことができます。
これによって入社意欲が高まるという事もあるようです。
意外と面接時に雑談している会社は少ないみたいですね。
面接時に雑談している会社が少ないという事は、雑談するだけで印象に残るのかもしれません。
雑談テーマリスト

雑談が苦手、どんな話の内容が雑談に適しているかわからないという人に、主な雑談のテーマをまとめました。
- 趣味
- 特技
- 休日の過ごし方
- 友達と何して遊ぶか
- どんなバイトをして来たか
- 好きな食べ物
- ゲームの話
- ペットについて
- 今欲しいもの
- 今朝何食べてきたか
- 普段の服装は
- 好きな音楽
- 身に着けているものについて質問(リュックの缶バッヂ、キーホルダーなど)
テーマは何でもいいですが、思いつかなかったらこの中から選べばいいと思います。
まとめ
面接で見極めたいのは「どんな人なのか?」ということはいつの時代も変わらないはずです。
スキルが知りたければ試験をしたり、ポートフォリオを見せてもらったりしたら済む話だし、経歴重視であれば履歴書で事足ります。
それらでわからない「どんな人なのか?」を面接で補います。
どんな人物か知りたいときは雑談が効果的だという事をわかっていただけたら嬉しいです。
そもそも雑談できなければ仕事上のコミュニケーションも不安になりますしね。
面接はあまり考え過ぎず、用意しすぎず雑談メインで進めていいと思います。
この記事が採用担当者の方の面接の参考になれば幸いです。
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