印刷業界って印刷物を作っているのは確かにそうだけど具体的にどんなことをして印刷物が出来上がるかってわからないですよね?
隠してもないですが、本記事が掲載されているメディア・セナポンの運営会社株式会社ウィザップは印刷会社です。
印刷業界外の一般の人にとって印刷会社はどんな会社なのか?想像つかないのではないでしょうか?私も入社するまでは全く知らなかったです。
スマホが普及して情報が電子化されることが一般的となった現在は、紙の印刷物は減ってきています。
減ってきてはいるけど、この記事を読んでいる人の中にも「やっぱり本(紙)は良いな」と思っている人は多くいるはずで、きっと無くなることはないでしょう。
そんな印刷業界ってどうなの?印刷会社はどんなことしているの?という事が分かる漫画を紹介します。
漫画本自体も印刷物。「印刷業界の事を題材にした漫画」と「漫画本という印刷物」を通して印刷業界のリアルを発信してくれている漫画は結構あります。
今回紹介するのは、実際に自分で購入して読んで、社内の教育にも使っている印刷業界を描いた漫画です。
印刷業界で働く人も、そうでない人も楽しめる漫画となっているので手に取ってみてほしいです。
こんな人におすすめ
- 印刷業界に身を置いている人
- 印刷業界に興味がある
- 就職活動中の人
- デザイナーの人
- 広告代理店に勤務している人
- 家族や友達など身近に印刷業界の人がいる
- 印刷業界に入社する新入社員の教育教材を探している人
- 本やパンフレットのような紙の印刷物が好きだ!
印刷会社を題材にした漫画
今回は3作品(シリーズ)を紹介します。
どれも印刷業界に精通している人であれば、「わかるわ~」「ほんとそれ」と唸る漫画になっているはず。
多少の脚色はあれど現実と大きくは違わないので、印刷業界に興味がある人はいずれかの作品を読んで印刷業界の現実を知ってほしいです。
本などの紙の印刷物が好きな人が読んでも、「自分が持っている本がこうしてできているんだな」という事が分かり面白いと思います!
※紹介する漫画の情報はすべて2021年4月現在の情報です
いぬにほん印刷製版部(全2巻)
あらすじ
紙の本が大好きな紙谷なほ子は念願の印刷会社に就職。社名はいぬにほん印刷。研修もなく、いきなり現場に配属され大わらわ。無責任納期で仕事を受ける営業、超暑がりの上司、長老と呼ばれるベテランらに囲まれて毎日残業中。
いぬにほん印刷製版部 – 男性コミック(漫画) – 無料で試し読み!DMMブックス(旧電子書籍)
まずタイトルに癖がありますね笑。
日本が誇る印刷業界大手の「大日本印刷」の「大」に点付けて「いぬ(犬)にほん印刷」としているところにセンスを感じます。
今回紹介する漫画の中でも、いぬにほん印刷製版部が最も印刷業界がブラックな業界として描かれていると思います。あながち間違いではないけど笑。
昔はそうだったかもしれないけど、さすがに「家に帰らず寝袋で仮眠取ってまた仕事」みたいなことはないでしょう。印刷会社に就職考えている人は、その辺は安心してください。
今は家庭用プリンターも普及しているので、データさえあれば簡単に印刷できるかと思いきや、印刷会社で作っている印刷物は意外とアナログな事も多いという事が分かってもらえる内容になってます。
特に、「製版(簡単に言うと大量印刷するためのハンコを作る事)」というところに着目してくれたのが嬉しい。
一般の方からしたら製版は馴染みなさすぎるので、わかりやすく漫画で描いてくれているので社員教育の教材として使えます。
ブラックな印刷会社の側面がみられ、マニアックな知識も得られるのが「いぬにほん印刷製版部」です。
現在は印刷物が激減していて仕事量が少ないので、印刷会社はブラック企業少ないと思いますが。
ブラック企業が少なくなった理由が笑えないですね、という”ブラック”ジョーク・・・。
この漫画について紹介している記事もリンク貼っておきます。
『いぬにほん印刷製版部』印刷業界がブラックになる理由は…身につまされるマンガ|おたぽる
いとしの印刷ボーイズシリーズ(全2巻)
あらすじ
GetNavi webで人気の漫画連載「今日も下版はできません!」をもとに書籍化した一冊。120以上の印刷用語解説や、印刷物ができるまでの過程をまとめたコンテンツなどを収録。中堅の印刷会社「ナビ印刷」を舞台に、毎回起こる印刷事故に現場はてんやわんや。
楽天ブックス: いとしの印刷ボーイズ – 業界あるある「トラブル祭り」 – 奈良裕己(BOMANGA) – 9784054066410 : 本
元々、私もWebで連載していた「今日も下版できません!」の読者でした。
反響が大きかったのか漫画本として出版されました。
印刷にまつわる不具合や事故を中心に取り上げて、それらに対してどう対処しているのか?がわかる内容です。
かなりリアルな対処法が書いてあるので、一部印刷業界の方から「なんでそんなことまで暴露するんだ!」というクレームがあったらしいです笑。
確かに「黒ベタ部のピンホール(ゴミがついてインクが紙に転写されずに白く抜けてしまう)をペンでツンツンして消す」といった荒業も紹介されていますからね。
ウィザップではさすがにそこまでやらず、刷直すことが多いですが。正直ピンホールなどちょっとした印刷面の不具合は、全くでないなんてことはなく、物理的に不可能です。例えば、自動車のボディに全くほこりやごみが噛んでいない塗装を仕上げることが不可能なように・・・。印刷面での不具合をなるべく出さないようにどれだけの努力をしている事か・・・。
心の声が漏れてしまいましたが(笑)、印刷業界の人間であれば涙なしでは読めない漫画です。
また、印刷会社の基礎的な用語解説もされていて、印刷会社の社員教育教材としてもかなり優秀です。
ねとらぼのこちらの記事で漫画の一部分を見ることができます。著者のインタビューもあるので読んでほしい記事です。
「終わらないクレームはない」「現実は漫画よりむごい」―― 読むだけで胃が痛くなる“印刷会社営業マン”漫画はいかにして生まれたか(1/2 ページ) – ねとらぼ
刷ったもんだ!(連載中~)
あらすじ
東京近郊の印刷会社に勤務する真白悠(元ヤン・目つき悪し)。人生をやり直そうと、印刷業界に飛び込んだが、実際働いてみると、苦労もたくさん。先輩や同僚もこだわりやクセの強い人ばかり。でも、そんな仲間とてんやわんやするこの職場には、ささやかな感動も…。という真白のあれこれを、印刷業界あるあるとともに綴っていく、お仕事コメディーです!
楽天ブックス: 刷ったもんだ!(1) – 染谷 みのる – 9784065197585 : 本
最後に紹介するのは現在モーニングで連載中の「刷ったもんだ!」。
最も漫画っぽい内容です。上で紹介した作品はリアルな部分が強かった。もちろん、刷ったもんだ!も印刷会社あるあるネタが満載です。
主人公は制作(印刷データを作る作業)をする人です。上流工程から見た印刷業界が描かれています。
この漫画は個人的には印刷会社に入社したての頃の気持ちを思い出させてくれる漫画になっています。
主人公がデータを作成した印刷物がきれいに製品として出来上がったものを見て感動する場面があるのですが、私も初めて印刷機を使って印刷したときは感動しましたし、印刷した用紙を家に持ち帰って家族に見せました。
でも、この気持ちってだんだん薄れてしまうんですよね。刷ったもんだ!を読み返すことで初心に立ち返らせえてもらえそうです。
印刷業界で働く人じゃなくても、刷ったもんだ!を読むことで、主人公の初々しさから仕事で感動したり、達成感を味わえたりする気持ちを思い出すことができるかもしれません。
ねとらぼの記事で1巻の第1話が読めますので、試し読みしてみてください!
印刷会社で働く元ヤンが悪戦苦闘! 印刷のあれやこれやが分かる漫画『刷ったもんだ!』(1/2 ページ) – ねとらぼ
まとめ
印刷業界を題材にした漫画を紹介してきました。
漫画なので純粋に面白い読み物として読めますし、皆さんが普段手にしている印刷物はどうやってできているのか、どんな苦労があるのか知ることができます。
私は製造部で働いていてデータから実際の製品にするために、製版、印刷、製本までしていますが、漫画にも描いてある通り本当にトラブルが尽きないです。
印刷業は受注産業ですべてがオーダーメイド。毎日違うものを作っているからこそ、起こるトラブルがたくさんあります。
本当に難しいし、奥が深いなと毎日思い知らされています。
だから楽しいんですけどね!印刷について話し始めると長くなるのでこの辺でやめておきます笑。
そんな一面がこれらの漫画の登場人物達からも読み取れると思います。
ご興味あれば、是非購入して読んでみてください!