君もカラオケでヒーローにならないかい?
目次
■はじめに 歌いたくない=自分の歌に自信がない
絶対ゼッタイぜ~~~ったいに人前で歌いたくない!!
っていう人、一定数いますよね。友達とカラオケも行っても一切歌わなかったりとか、そもそも誘われても行かなかったりとか。
もちろん、本当に心の底から歌うことに対して拒絶心を持っている人もいるでしょうし、皆の歌を聞いてるだけで楽しいし満足だからって人もいるでしょう。それはそれで良いと思います。
しかし、中には「思い切り歌ってみたいけど恥ずかしい……」という方もいるのではないでしょうか。
歌いたい気持ちはあるのになぜ歌わないのか。それはひとえに「自分の歌に自信が無いから」でしょう。だから恥ずかしくて歌えない。その気持ちはよく分かります。
僕は今でこそ歌うの大好きマンで、未経験から大学で合唱サークルに入ったり一人でカラオケに10時間こもったり、グラサンかけて歌う動画をTwitterにアップしたりしていますが、
中学3年生頃の僕は歌うことが本当に嫌で、カラオケなんか誘われても絶対に行かなかったし、合唱の授業でも全く声を出していませんでした。自分の歌に全く自信がなかったからです。
僕は声変わりが比較的早く、小学6年生なったくらいから声がだんだん上手く出せなくなっていきました。
合唱で皆が出している高さの音を僕は出せないし、音程も取れない。あの地獄のような「ちゃんと歌えている人から座っていく」授業で感じた羞恥心を今でも覚えています。
そんなこんなですっかり歌嫌いになった僕。しかし、声変わりも落ち着いてしばらく。自分は別に歌下手ではないんじゃないかと気が付きました(幸運なことに元々音感は悪くなかった)。
そこからの僕は人が変わったように歌いまくりました。毎週のようにカラオケに通い、風呂場では血管ブチ切れそうな勢いで歌い、近隣住民の話題に上りました。ホンマに恥ずかしい。
まあ何が言いたいかというと、自分の歌に少しでも自信が出れば、歌いたくて歌いたくてたまらなくなるんですよ。
というわけで前置きが長くなってしまいましたが、今回は人前で歌を歌うのに躊躇しないくらいの、そこそこの歌唱力を手に入れる方法を僕なりに語っていきます。
あくまでもそこそこ。カラオケに行ったら「わあ、上手だね」と30%くらいの感情で言ってもらえるくらいの歌唱力GETを目指す内容なので、プロの歌手を目指しているという方には益のない中身になるかと思います。ご了承くださいませ。
■声の出し方、音程・リズムの取り方について
歌声のイメージは余所行きの声
大前提として、カラオケでそこそこまともに歌を聞かせるためには、マイクに声を乗せられることが必要になります。逆に言えば、マイクに良く乗るような発声は良い発声です。
頑張って歌っているのに声がマイクに乗らない、もしくは声量があまり出ない……という方は、声の出し方から意識してみましょう。
まず、話し声を歌声を明確に分けることが大事です。
歌に使用する声は、基本的に上の響きを持った声です。と言ってもなんのことやらよく分からないと思いますが、お母さんの余所行きの声だと思っていただければいいかなと思います。
普段よりワントーン上がる感じ、明るい響きを持ってよく通る声ですね。歌う時にはこの声を使います。
発声の際のイメージとしては、上あごを通って鼻の方から斜め上方向にまっすぐ声を飛ばす感じです。
合唱などでは、額や頭のてっぺんから空間全体に響かせるイメージで声を出しますが、カラオケにおいてはそうではなく、どちらかと言うと声をビームのように飛ばし、マイクにぶつけるイメージが良いのではないかと思います。
女性は元々声が高いので、この感覚は意識しないでも身についている方が多いでしょう。男性でも営業職の方など、外部と話す機会の多い方はそう苦労せずに感覚を掴めると思います。イメージとしては最初に述べた通り余所行きの声なので。
音程、リズムが取れない部分はゆっくり歌ってみること
次に大事なのは音程とリズムです。今更改めて言うまでもなく大事なことですよね。
あまり意識しすぎてガチガチになっても面白くないのである程度は自由で良いと思いますが、ここがガタガタだと聞いている側は残念な気持ちになります。
特に最近の流行り曲は(King Gnuの「白日」やYOASOBIの「夜に駆ける」など)、リズムが取りにくいうえに音程が細かく、それでいて幅広く上下するような難曲が多いです。
息継ぎのタイミングも少なく、無策で挑めば撃沈は必至。歌いたいなら練習が必須です。
これについてはとにかく練習をするしかないのですが、やり方としては一つ、ゆっくり歌ってみるのが良いかと思います。
リズムが難しい場合は、拍を意識すると良いです。
特に強拍と言われるアクセントとなる拍(4拍であれば1拍目と3拍目)を意識すると、格段にリズムが取りやすくなります(意識しすぎると逆に変なアクセントがついてしまい、それはそれで良くないのですが)。
慣れないうちは手や腿を叩いて拍を取りながら歌ってみましょう。
音程に関してはとにかく体で覚えるしかありません。苦手な箇所をゆっくりと、正確に音を拾えるように繰り返し練習しましょう。
とは言いつつカラオケなので、そこまでシビアに音程を気にする必要もありません。1音1音で取るよりは、フレーズ全体の流れで音を取ったほうが覚えも早いでしょう。
その際、息を常に流し続けること、フレーズを1本の息で繋ぐように歌う意識ができると、より滑らかに音程が取れるかと思います。反復反復!
■自分に合った曲を見つけよう
十八番の一曲を探し出せ
続いて考えてほしいのは、自分にとって歌いやすい歌を歌うということです。
難しい曲を歌ったって難しいんだから上手く歌えるわけがありません。上手く歌えないんだから自信にも繋がりません。
しかし、世の中にある曲が全て難しいかといえば勿論そうではなく、中には自分にとって無理なく気持ちよく歌える曲があるはずです。
そういう自分にとって得意な曲を見つけること。言い換えれば自分にとっての十八番を見つけることが大事です。
十八番が見つかったらその曲をとにかく歌い込む! 自分の曲ですと胸を張って言えるくらいに歌い込む! 周りの人から「あれ歌ってよあれ」とせがまれるまで歌い込む!
その頃には自信たっぷりに歌うことができているでしょう。
自分の音域を理解しよう
それで、十八番の一曲を見つけるためにどうすれば良いのかですが、これは自分の音域(出せる音の範囲)を理解しておくことが非常に重要です。
試しに鍵盤をピロリンポロリンと叩いてみながら、自分が出せる音の高さをチェックしていきましょう。
このあたりをチェックすると良いかと思います。
- 頑張って出せる地声最高音&最低音
- 楽に出せる地声最高音&最低音
- 頑張って出せる裏声最高音&最低音
- 楽に出せる裏声最高音&最低音
ある程度自分の音域を確認できたら実際に歌って確かめてもよいですが、ネットで音域を調べてみて曲を探してみましょう(「曲名 音域」とかで調べれば大抵出てきます)。
基本的には②の範囲の中で曲を探していくことになります。多少そこからはみ出す程度なら良いですが、楽に出せる音よりも高い/低い音というのは連発されるとキツイ音です。普通に一曲歌い切ろうと思うなら避けた方が良いでしょう。
高さが自分の音域を超えている場合であっても、その出現箇所によっては裏声で対応できる可能性があります。このあたりは実際に歌ってみて吟味していきましょう。
おまけの豆知識 音階名について
一般に音階を読む時は「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」と読みますが、音楽の世界においては英・米式もしくはドイツ式の音階表記を用いることが多いです。
楽曲の音域を調べると、大抵の場合は英・米式のアルファベット表記で音階が表記されています。
音階はこのように対応しているので、突然アルファベットで出てきて戸惑った人は「これも一つの音階表記方法なんだな」くらいに思っていてください。
↓こちらのページを見るとより詳しく説明が書いてあります。
音域.com
ちなみに合唱では基本的にドイツ式音階を用いていました。表記は同じくアルファベットですが、シがBではなくHになっていました。
「C・D・E・F・G・A・H」という並びになります。読みはそれぞれ「ツェー・デー・エー・エフ・ゲー・アー・ハー」です。
ではいなくなったBはどこに行ったのかというと、シの♭(半音下げ)のところをB(ベー)というんですね。面白いよね。
その他の音については、半音上げは後ろに「is」を、半音下げは後ろに「es」を付けることで表します。
C(ツェー)の半音上げはCis(ツィス)。D(デー)の半音下げはDes(デス)となります。これが非常にカッコいい。
カラオケに行った際、「うわー、今のFis(フィス)の音がもっと決まればなー」とか言えば、「コイツ……できる!」と周りから尊敬されること間違いなしです!
■歌い回しを工夫する
口は滑らかに動かそう
最後にして最難関は歌い回しです。節回しとでも言えばよいのでしょうか。機械的に歌うのではなく、歌に表情をつけていく。
要は「それっぽく歌う」技術ですね。この技術がその人の歌のクセになって、味になっていきます。
基本もなってねーのに上辺だけ取り繕うなという声も飛んできそうですが、素人のカラオケなのでね。簡単にそれっぽくカッコつけて歌えれば一番いいじゃないですか。楽にキャーキャー言われたいやんな?
さて、日本人をやっていると勘違いしてしまいがちなのですが、母音の数は5つではありません。
日本では一つしかない「ア」の音も、英語では5種類の母音があります(「エ」交じりのもの、「オ」交じりの音……等々)。
これらの音は口の形と舌の位置で決まっています。そして僕達は口と舌を無限に動かすことが可能なので、実は母音の形は無限に存在しています。
これに気付いて意図して使い分けれるようになると、歌にグッと表情が出ます。
そもそも日本語に存在する5つの母音「a」「i」「u」「e」「o」は非常に浅い音であり、この音のみで歌を歌うと、非常に子供っぽい印象になります。小さい子供が歌う歌そのままです。
響きを出したいなら基本的に深い響きが必要になります。なので口の中の空間はなるべく広く取る。口角の位置も重要です。下げると響きが暗くなりますが、アンニュイな空気を出したいならマッチします。
口を動かしながら声を出し、どんな響きになるか試す。自分の声で遊んでみると、思いもよらぬ響きが手に入るかもしれません。
物真似って大事よ
とはいいつつ、この辺は感覚なので分からないですよね。なので物真似をしましょう。好きなアーティストになり切って歌いましょう。
歌手として活動し人気を博している人は、多かれ少なかれ歌い方に特徴を持っています。それが心地よい、カッコいいと感じるからこそ「クセになるわ~」と感じるのです。
ならば、そのカッコいいと感じたクセを物真似して身に付け、自分の歌に落とし込んでしまいましょう。
難しいかもしれませんが、でもこれは好きなアーティストがいる人なら自然にできると思いますよ。だって好きな歌を歌ってる時ってもうその人になりきるじゃないですか。
B’zを歌えば人類は皆稲葉になりますし、サザンを歌えば人類総桑田です。アーティストの癖は予想以上に僕達の耳にこびりつき、染み込んでいます。
僕個人としては、カラオケに行き始めた中学生の頃に聞いていたスキマスイッチの影響が非常に強く、今でも変な癖として僕の歌い方に顔を出しています。
スキマスイッチの大橋さんも、曲調とか場面によって母音を自在に使い分ける人です。
例えば「もう嫌んなるよゥー」とか「縛られたくないんドァー」みたいなクセ(誇張してます! 好きです!)は意識しなくても僕の口から飛び出してきますね。よく笑われます。
そう、これはやりすぎるとなんか変な感じになります。TVで物真似芸人がやってるみたいな感じですね。
丁度良い塩梅を探し、上手くアーティストのカッコよさを自分の歌に落とし込んでみてください。
■まとめ あとはとにかく録音して自分の歌を聞いてみること!
というわけで今回は僕の思うカラオケ上達のコツをお話ししました。僕程度の歌唱力でこんな記事を書くのは大変お恥ずかしいのですが、参考にしてもらえたら嬉しいです。
最後に大事なことなのですが、自分の歌を録音して聞いてみてください! めちゃくちゃ嫌だと思いますが、そのぶんめちゃくちゃためになります。
普段聞いている自分の声というのは骨などを伝わって響いてくる音なので、実際に外に放出されている音とは結構違うんですよね。録音した自分の声を聴いてショックを受けたという方も多いと思います。
物事の上達に必要なのは自分を客観視すること。合唱の練習でも必ず練習は録音します。そうやって聞かないと改善点などは中々見えてこないしね。
そうやって練習しているうち、自分の歌が好きになってくれば儲けもの。言うなればいくらでも自分のリクエストに応えてくれるアーティストです。こんなん神やん。
自分が自分のファンとなるその時まで、頑張ってください。一緒に頑張りましょう。そして合コンの2次会でカラオケに行って、ギャルにキャーキャー言われましょう。